先日、日本パーソナルシェフ協会の松本敏弘さんによる講座を、町屋レンタルキッチン刻家で開催しました。当日は20名以上が一同に会して、「食とは何か?」についてワークを交えて学びました。
激変した日本の食卓事情
日本ほど、短期間の間に食卓事情が激変した国は少ないことをご存知でしたか?戦後、アメリカの政策にのっとり
- 米から小麦へ
- 野菜・豆・海藻から肉・乳製品へ。
- 台所で伝わってきた家庭の味から外食・加工食品へ
- 一家団欒・共食から孤食へ
食事内容だけでなく、食環境までも変わった結果、私たちの健康は悪化し生活習慣病が増、そして心がか弱く精神面に不安をもつ人も多くなりました。
もう一度、食を見直しませんか?
この日の講義内容で印象に残ったことは、生きた食べ物を食べましょうということです。
野菜を生で食べたことありますか?どんな食感で、においで、味がするか知っていますか?新鮮な、生きた野菜は、生で食べたときにわかります。ちょっとかじってみると切り方によって食感が変わっています。小松菜をかじった方から「こんな味がするんだ!」と驚きの声が。
もう一つ、野菜でも、魚でも、そして調味料でも、きちんと作られたものは、味が違います。本当の意味で「濃い」のです。キャラ立ちしているのですよ。「確かに少し高いかもしれませんが、そこには生産者さんの労力がかかっているのです。応援する気持ちも合わせて、ぜひ、いいものを買いましょう」とのこと。誰でも一生懸命に作ったものは、正当な値段で買ってほしいと思うもの。そして、高いといっても高々しれています。カフェで500円のケーキを食べても、300円の大根は高いと感じるのはなぜでしょう?もう一度、大切なものを考えて、賢い消費者になりたいと思いました。
そして、糖質制限ダイエットが流行している昨今ですが、日本の主食はやはりお米です。かつての日本人は、玄米・味噌、野菜しか食べていなくても、外国人が驚くほどの体力と堅強な身体を維持していたのです。この日は、玄米を200回噛みしました。びっくりするほどねっとりして甘い!びっくりしました。
最後に、「いただきます」「ごちそうさま」に宿る、感謝の心について。流通経路が複雑化するにつれて、食卓に並ぶものが誰が生産し、誰の手を渡って運ばれてきたものか、わからなくなってしまいました。家庭料理が減った今、最終的に誰が作ったのかさえわかりません。食べることも、ただ単にカロリー摂取する手段になってしまっています。そこには、感謝の心がわくこともなく、機械的に食べているだけ。食べることは、栄養素やカロリー摂取だけでないことを、改めて考えました。
こちら参加された方のブログ「家庭料理は、食べる人のことを想って作ることで行動が変わる」です。合わせてお読み下さい。
明日からの食卓を変えよう!
この講座は、料理のスキルやレシピでなく、食への向き合い方を変えるものです。あなたが今、食べているもの、作る過程、そして食べている時の気持ちや味わい方について、考えてみましょう。
生きた食べ物は、お写真からもわかる気がするのです。どんなテクニックがあるカメラマンでも撮ることができない生きた一皿を作ってみませんか?ちゃんと生産されたお野菜や調味料を買って、ただ蒸すだけ、焼くだけでいいのです。レシピは不要です。味付けも、少量のお塩、醤油、味噌、みりんなどで十分なのです。そこに「おいしく食べたい」というあなたの心を乗せるだけ。明日からの食卓がきっと変わりますよ。
さて、この日を契機に、私はInstagramで「一汁一菜」をテーマに投稿始めました。毎朝、ネットの向こうにいる誰かを思いながら、投稿しております。毎朝の義務であったご飯作りが、楽しみに変わってきました。
大好きなはなちゃんの笑顔♪ 私もこんなお顔でご飯を炊きたいです。
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